BARNENS STORA JULKALENDER Blommornas Bok(1932年) [sw-72]

タイトルには『BARNENS STORA JULKALENDER（子供たちのための素晴らしいクリスマス・カレンダー）』とあります。これは大人も子供も楽しみにしているクリスマス・イブに向けて12月1日からカウントダウンを始める『アドベント・カレンダー』にちなんでいます。よく見られるのは壁掛けのタペストリーに24個の袋がつけられ、その中にチョコやキャンディなどちょっとしたプレゼントを入れておき、１日、１日と日めくりで開けてゆくものです。このアドベント・カレンダーのおかげで、子供たちはみんなわくわくした気持ちをずっと保ちながらクリスマス・イブ当日を迎えられるのです。そしてこのアドベントには絵本が使われることも多いそうです。1日1話を読み、24話読み終るとクリスマス！そのため、この『BARNENS STORA JULKALENDER』とタイトルについた絵本はホチキス止めの簡素な製本で、気軽に読めるようにしてあります。
この絵本は日本では「花のうた」という題で2002年に文化出版局より邦訳出版されました。作者のシャンナ・オーテルダールは教師をしながら、児童文学や詩に携わりました。女性の権利向上に関する活動にも熱心であったようです。時代を考えるとスウェーデンの女性解放運動の代表的存在であるエレン・ケイの影響を受けていたのではないかな…と推察しています。ちなみにエルサ・ベスコフもエレン・ケイの主宰する学校に通っていたことがあります。
「花のうた」には様々な植物が登場します。エゾノチチコグサ、ハシバミ、アンズタケなどなど…スウェーデンの豊かな自然を想像しながら、じっくり読んでいただきたいと思います。
翻訳版とは色の美しさでかなりの差があります。表紙の絵も違います。輪郭や細かい線、子供のほほの色などはぜひこちらのスウェーデン版を見ていただきたいです！