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3月20日 西尾勝彦詩集『歩きながらはじまること』入荷しました

店長ブログ

三毛かあさん

近所の工場に、ノラ猫一家がいるんです。ミャーミャーと大きな鳴き声がするなと思っていたら、案の定また子猫が生まれていました。こんどは5匹も。 工場は有刺鉄線付きの金網で囲まれています。しかもあまり人が出入りしない物置小屋があり、そこを根城に子育てしている模様。そこならカラスも近づけません。 おかげで安泰なのを知ってか知らずか、金網の向こうでは子猫たちが夢中で駆け回っていました。 そんなある日、子猫の鳴き声がひときわ大きく聞こえてきました。しばらく鳴き止まないので、気になって様子を窺いに行ってみたのです。 するとちょうどそのとき、工場の別の方から三毛猫が猛烈な勢いで走ってきました。よく見かける、たぶんあの5匹の母親だろうと踏んでいた猫です。 三毛は大慌てで金網に飛びついてよじ登り、有刺鉄線の隙間から身体をひねり出して、外へと飛び出しました。 三毛は一目散に鳴き声のする側溝の方へ駆け寄り、その声の主をむんずとくわえて持ち上げました。シッポの先だけちょびっと黒い灰色の子猫です。子猫は鳴き止んで、されるがまま。 三毛はまた金網に飛びつきます。口に子猫をくわえての垂直クライミング。三毛は懸命に金網をよじ登ります。有刺鉄線の隙間では子猫込みの頭は慎重に、お尻はちょっと針に引っ掛けたものの構わず、なんとかくぐり抜けて無事向こうへ飛び下りました。そこへちょうど、低い声で鳴きながらカラスが飛んできました。間一髪でした。 小屋の方では、三毛が子猫を下ろして舐めてやっていました。ほかの子猫たちも集まって来ます。そして何事もなかったかのように、またじゃれ合いはじめました。三毛もいつものおっとりした動きに戻り、ちょっと離れて自分の身体を舐めています。その顔は本当に「やれやれ」と言っているようでした。